もやがかかる
もやがかかる
粒状・糸状・煙状などのものが目の前を飛んでいるように見える症状(飛蚊症)のことを言います。飛蚊症の原因は目の中の濁りです。目の中は硝子体と呼ばれるゼリー状の物質で充満しています。濁りはこの硝子体の中にあるので、目を動かすと濁りは一緒に動き、その濁りが眼底に影を落として目の前を飛んでいるように見えるのです。
年齢の変化によるものがほとんどですが、中には病的なことが生じている可能性があります。早めに検査をうける必要があるので注意が必要です。
網膜剥離とは、網膜がはがれて視力が低下する病気です。
痛みを伴わないため気が付きにくいですが、前兆として飛蚊症が現れることがあります。原因は、網膜の裂け目(網膜裂孔)であることが多いです。裂け目をそのまま放置しておくと、この小さな穴から網膜とその下の間に水分が入り込んでいき、最終的には網膜がはがれてしまいます。裂け目ができてまだ剥離になっていない状態の間なら、裂け目の周りにレーザーを照射して剥離を予防することができます。
虹彩、毛様体、脈絡膜の3つをまとめてぶどう膜と呼びます。それらに何らかの原因で炎症が生じた場合、ぶどう膜炎と呼びます。
ぶどう膜炎が生じる原因の病気はたくさんあり、有名な病気ではベーチェット病や、サルコイドーシスなどがあります。ぶどう膜炎の症状は原疾患によって様々ですが、目やにを伴わない、見え方に異常がある充血などはぶどう膜炎の可能性があり注意が必要です。炎症が続いたり抑えきれない場合には、重篤な視力低下をきたす場合があります。
網膜の血管などが切れて、硝子体腔に出血が溜まった状態を硝子体出血と言います。
出血の量が多いときは、光が網膜まで届かずに視力低下を引き起こします。出血の量が少なければ、飛蚊症の症状が起こります。
網膜静脈閉塞症は、網膜の静脈がつまって血液がうっ滞し、網膜出血や網膜浮腫を引き起こす病気です。糖尿病網膜症と並んで眼底出血をきたす代表的な病気です。50歳以上の方に起こりやすく、高血圧との関連性が高いと考えられています。
網膜静脈の別れ枝が閉塞する網膜静脈分枝閉塞症と、視神経の中で網膜静脈が閉塞する網膜中心静脈閉塞症の二つのタイプがあります。
網膜静脈分枝閉塞症は、網膜静脈の一部に血流障害が発生し、網膜に出血や浮腫を起こします。一方、網膜中心静脈閉塞症は、網膜の大部分に出血が広がり、この状態が続くと視力の回復が困難になり、血管新生緑内障を引き起こすことがあります。
治療は、症状があまり現れていないケースでは血流を改善する内服薬で経過を観察します。網膜や黄斑に生じた浮腫の治療には、抗VEGF薬硝子体注射とレーザー治療が有効です。早期発見・早期治療が大切です。
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